今日の雑記

生きることでいっぱいいっぱい

開発メモ

Zinnia 氏の http://risky-safety.org/~zinnia/d/2005/12/#20051216-t2-h0-p1 に触発されて書いたメモです。ボクが今までに公開したシューティングはどのようにして作ってきたか、そんな話です。
今まで、公開非公開含めて何本かのゲームを作ってきたわけなんですけども、最初は何の考えも無しで作ってきました。なので、その頃のゲームは公開されて無いものが多いです。
原因は明らかで、「どういうゲームにする」という明確な指針もないまま作り始めるからです。と、このような事を今更改めてここに書くような事ではないんですけども。
それを考え始めたのは P/ECE の「WIRED」からです。最初に「キャッチフレーズ」を考えるようにしたのです。当時のメモをみてみると「P/ECE で回転拡縮を!ワイヤーフレームシューティング」と言う文句が書いてあります。ゲーム性よりも見た目で勝負という、それはそれでどうなん?というキャッチフレーズですが。

以下は、それ以降に発表したゲームのキャッチフレーズです。「ScoreSoldier2004」から Readme にも載せるようになりました。

  • あなたとボスの一騎討ち。ボス自動生成シューティング。(ALERT〜P/ECE
  • 敵を倒して弾幕を撃て。オレ弾幕シューティング。(ScoreSoldier2004〜Windows&DirectX
  • ASCIIキャラの総攻撃。ノスタルジックハイポテンシャルシューティング。(VAX11〜Windows&DirectX
  • 四方八方絶対包囲。全方向シューティング。(AREA2048〜Windows&SDL+OpenGL
  • 狙われて強くなれ。さあみんな、俺にロックオン。(Z-LOCK〜Windows&SDL+OpenGL

中には微妙なキャッチフレーズもありますが(AREA2048 とか)、そういったゲームは間違いなく開発が難航してます。コレなんかリリースできただけマシな方ですが。

で、各タイトルについて軽く開発経緯とか。覚えてる限り。

<WIRED>
P/ECE というプラットフォームの都合上、メモリが特に厳しいので、ステージ構成は「1ステージ1雑魚」という方向性は最初から決めてました。
「自機狙い弾ばっかり」という評判を頂くのですが、実は手抜きだったりしてます。今から考えればいろいろやりようはあったと思うんですが、当時はそんなに敵弾に対して思い入れと言うか、こだわりは無かったです。今もあるか?と問われると微妙ですが。
とにかく「メモリとの戦い」でした。初めてきちんと BGM を付けたというのもあって、240K ギリギリで動作しているはずです。後に Windows に移植したときは、メモリを気にせず開発できる環境に安堵すら感じたものです。
「1ステージ1雑魚」という制約(?)があったので、雑魚の動きには気をつけました。特徴的で、個性的で、と言う感じで。とにかく作ってみて動かしてみて再度修正、という作業の繰り返し。液晶の性能がお世辞にも褒められたもんではなかったので、視認性とかも考慮しながら作ったのも良い思い出です。
あと、CPUはそこそこ速いんですが、とにかく描画が遅い(当時はまだそこまで描画の高速化が研究されてなかった)ので、そこも課題でした。ラインを結んでオブジェクトを表現してるんですが、ライン数が増えると当然のように描画が重くなるので、その辺も調整しながら・・・、と。どうしてもライン数を多くしたい(特に後半の)キャラは、出現数を抑えつつ耐久度を上げて回避。なるべく処理落ちしないように心掛けてました。

<ALERT>
P/ECE 第二弾で、わりとこなれてきたので、ちょっと冒険してみようと思って作ったゲームです。当初は「WIRED2」として開発してました。
タイトルを変えたのは「見た目が違うから」というのが理由です。当初は WIRED みたいな感じで「LINEオブジェクトで自動生成」だったんですが、どうにも無理があって結局挫折しました。
サウンドとプログラムの配分は大体頭に入ってたので、「どこまでボス自動生成部分にプログラムを割けるか」というのが課題でした。結局はあまり凝ったアルゴリズムにはならなかった訳なんですが。
開発する上で躓いたのは、結局ボス自動生成部分だけでしたね。他は WIRED からの流用だったし。まあそこが肝だったから当たり前と言えば当たり前なんですが。
ちょうど時期を同じくして、先輩格でありとても敵わない「WARNING FOREVER」がリリースされたんですが、あれを見て「あーあーあー」とか思ってました。プラットフォーム違うというのはのけても、アソコまではできねーよー。とジタバタしてました。
自分が作った中では気に入っている一本です。機会があったら続編と言うか、バージョンアップ版を Windows で作ってみたいなあ、と、今でも思ってたりしてます。

<ScoreSoldier WinterFestival2004>
「ScoreSoldier」自体は前にも作ってて、コレはそれの第3作目なんですが。1作目は「作りかけのボスシュー」、2作目は「タイムアタックシューティング」で、3作目のこれは「ある程度普通の展開のあるシューティング」を目指して作りました。作ったこと無かったので。
苦労した点で筆頭に挙がるのが「ステージの雑魚出現シーケンス」です。これはいまだに苦労してます。才能無いんでしょうねきっと。いったい何回作り直したか覚えてません。二桁は行ってるはずですが。
他で苦労した点は「オレ弾幕」ですね。36種類も作らなきゃいけないんですが、高レベルにいくにつれ「凄い攻撃」にしないといけないし、でもやりすぎじゃアレだし。
あと、贅沢しようと思ってモード増やしたりとか。そういえば追加したモードの曲、別の人の曲を使ったんですが(NARUTO さんありがとうございます)、やっぱちゃんとした人の曲を使うのはいいなあ、と。
そういえば、このゲームは様々な方の意見が反映されています。「オレ弾幕」が結果的にこんな仕様になったのも、画面下部にオレ弾幕表示を出す事になったのも、全てボクの友人から出た意見で実装されています。
今年は作らなかったけど、来年あたりまた作ろうかしら?

<VAX11>
会社の後輩と話してて、「アスキーキャラだけでゲームになる!」と豪語してしまったために作ったゲームです。制作期間も短いです。ゲームも小規模ですが。ドキュメントにも書いてある通り「ネタゲー」ですしね。
作ってて気が付いたのが、「バックスラッシュが使えない」こと。日本語環境だったし。使ってるライブラリが日本語ベッタリでやってたので。今考えたらフォント切り替えろやという話ですね。アホです。
ネタ的には面白かったです。なんかこう、BASICでゲーム作ってるみたいな感覚。ボムとかタイトル画面とかソースにまんま出てるあたり(ソースも公開しているので見ていただければわかると思います)。
わりとすんなり完成までこぎつけました。リプレイも特にバグもなく、まあ規模が小さいというのが幸いしたかと。作りながら「あー、初めて作るんだったこういうのが良いかも」なんて思ってました。

<AREA2048>
茨の道を歩んだ挙句、個人的には消化不良満載のゲームです。とにかく苦労しました。
具体的には、

  • 「全方向シュー」というだけでテーマが決まってない。
  • 1ステージを短くして面数増やしたけど、やっぱだるい。
  • 全方向シューで敵が弾を吐くのは結構無謀。
  • 難易度曲線ムチャクチャ。
  • 後ボス級のキャラのデザインがヘボイなんて言葉で言い表せないくらいヘボイ。

まあ他にも色々あるけど、凹むのでこの辺で勘弁してください。
そうだ、この辺から「あープリミティブのデザインを考え直さなきゃ」とか思い始めたんだよな。思っただけだったけど、当時は。
リベンジしたい気持ちはあるんだけど、全方向シューって作るの難しいです。今でもトラウマ。「向いて無い」と言われたらそれまでなんですが。

<Z-LOCK>
「AREA2048」を公開してしばらく何も作る気が起こらなかったんですが、ある日会社から帰ってる途中で思い浮かんだのが、あの「さあみんな、俺にロックオン。」だったんです。
しかし、最初と最後でこんなにゲームが変わったのも珍しいです。システムごと変わったし。
最初は、サイヴァリアチックに「ロックオンカーソルに乗っかるとレベラッ!するゲーム」だったんです。前にも書いたけど。
それが、例によって例の如く「友達に見せた」結果・・・、

  • 何か乗っかんなくても良い感じ。
  • もっと積極的、と言うか、能動的に乗っかる理由が欲しい。

という指摘を受けて、考え直したんです。コレが変革期第1章。結果「NORMAL MODE」の原型ができました。
さらに後日、「SDL-off」に遅れて呑み会のみに参加した時に、これを見せたんです。で、そん時に、
「狙われないと弾撃て無いのって、どうですかね?」
という話になって、その場でソース修正&コンパイル
その時の反応、
「あーこれ!これ!わー!バッカー!」
で、コレが変革期第2章。「CONCEPT MODE」の原型。
最終的には今の形に落ち着いたんですが、これも随分いろんな人の意見で助けられたゲームです。

結論みたいなものは、ここまで書いておいて正直導き出せないのですが、一つだけ言えるとしたら、「周囲に見せられる人がいるんだったら、バンバン見せましょう!」ということですか。1人で作ってると結局個人的なものにしかならないし、採用する/しないはともかく、見せて意見を貰うと言うのは、ものを作っていく上でものすごく重要です。それが例えゲームじゃなくても。

しかし、思い返してみると、ものすごく友人達のお世話になってるんだなあ。改めて感謝申し上げます。>友人各位